BRM927泉佐野600キロ −その6−

こんなに長編になるとは思ってなかった ^^;
もう少しお付き合いください。
だんだん、来年に活かすための個人的な備忘録になってきてるのを感じてます。

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4時。携帯のアラームで目が覚めた。
寝る直前にドロップバックを受け取り、待望の発汗保温下着を着けて脇の芝生にそのまま横になっただけの30分間だった。
疲れは取れているようには感じなかったけど、行かねばならぬって気持ちだけが体を起き上がらせた。

ちょうど、誰かが出発する所で、背の低い女性と背の高い男性が暗闇に見えた。
「ヒロさんと都古さんたちだ・・・」

bossさんが昨年の600の時に書いてらっしゃったのだけど
「遅い者は眠ることもできない・・・」
確かにそうだよなぁ・・・・などと思いながら出発されるのを見ていて、準備に取り掛かりました。
長袖ジャージに着替え、今までのオレンジの半そでジャージはドロップバックへ。
ふと、悩みます。
「ドロップバックを泉佐野まで持って帰ってもらったら取りに戻らないといけないんだよなぁ・・・・このまま背負うか・・・」
「いやいや!DNFはしない!弱気はイカン!」と思い直して出発です。


出発して直ぐに自動販売機の前に。
なぜ、自動販売機の前に行ったのか記憶が無いんですよね。その時に何も買ってないんです。
それから道を右折して1人で真っ暗な山の中に、結構な斜度の坂を登っていきます。



ライトのSG305.めっちゃ強力でした。
電池消耗が早いので、必要な時だけつけるようにしていて、この区間はずっとつけていました。
何人かのブルベライダーに抜かれながら、「あれ?水がない・・・」と気づきます。
「さっき自動販売機の前にいたのに何で水の補給をしなかったんだ?」
「やばい、こんな山の中だと自動販売機もないぞ・・・」


精神的に追い詰められていきます。里に出るまでどれぐらいの距離か全くわかりません。
なんとか上りきり、ガソリンスタンドに自動販売機があるのを見つけて水の補給をしました。
また、気分転換にラジオでも聞こうと準備したのを覚えています。
その時も2組ほど抜かれましたが、その中にヒロさんと都古さんがいたのでしょうか?
全く気づいてません。たぶんこの段階で意識はかなり朦朧としていたのかもしれないです。


更に坂。
坂を登りきると夜が明けてきました。バス停を見ると一人のブルベライダーが
自転車の灯りをつけた状態で眠っています。すごくうらやましく感じました。

トンネルの手前で自動販売機を見つけてストップ。
コーラを飲みます。なんだか炭酸が欲しかったんですよ。
その時もブルベライダーが通っていきました。


でも、このコーラを飲んだのが失敗でした。
いきなり胸焼けが始まり、気分が悪くなります。
スピードが出せません。せっかくのダウンヒルなのに20キロほどしか出せないんです。
夜が明けたことで、自分がかなり眩暈を起こしていることに気づきました。


かなりフラフラになっている時にタイムマシーンさんとnobさんが追いついてこられました。
nobさんは直ぐにトイレ休憩。
都古さんのブログを見ると、この辺りで私とタイムマシーンさんを見ていることになります。
確かにこの区間のトイレはここだけ。その近辺はタイムマシーンさんと一緒に走ってたので、お会いしているのかもしれませんね。
ただ、私はこの段階でかなりのダメージを追ってました。
体は吐き気。精神的にはもっと後で追いつかれると思っていたnobさんにこの段階で追いつかれたこと。
「これならば、1時間仮眠してnobさんと一緒に走った方が効率が良かった」と後悔していました。


しばらく、タイムマシーンさんとご一緒しましたが眩暈は止まりません。
「次のバス停で仮眠とります」と告げて、ランデブーを離脱しました。
タイムマシーンさんは「がんばった方が良い」とアドバイスくださったようにも思うのですが、もうこの辺りの記憶はほとんどない状況でした。







バス停で寝たのはおよそ40分間。
何とか起き上がり、スタートを切ります。
タイムアウトしてしまう・・・」「絶対間に合わない・・・」
もう焦りで頭の中はネガティブ思考で満杯です。


更に雄ノ山を彷彿とさせるヘアピン登りもありました。
「今回、復路で通らへんからヘアピン無いと思っていたのにぃいいいいいいいいいいぃいい!」
泣きそうです。


また、途中の集落の学校の前の信号がやけに長いです。目の前は幅3メートルも無い歩道一つなのに・・・
「早く、早く、早く、早く、タイムアウトしてしまうねーーーん!」
パニックに近い状況です。


必死になって走って何とか時速20キロをキープします。
途中、1人のブルベライダーに抜かれましたが、逆に「私よりも後なのにまだ頑張っていた人がいたんだ!」と思ってました。

「DNF or 続ける。DNF or 続ける。DNF or 続ける。DNF or 続ける。DNF or 続ける。・・・」
頭の中はそれしか考えてませんでした。


間に合った!8時過ぎに到着です。
nobさんやタイムマシーンさんもいらっしゃって、本当に嬉しかったです。
着いて一息ついてから、「DNFするか、続けるか考えた結果、ここから駅を目指すよりも次に進んだ方が駅に近い」と判断し、続けることにしました。


nobさんは先に出発されます。
「この区間で貯金を作りたい!」
すげー前向きです!
正直な所、今この時間にココにいる人は全員タイムアウトだと思ってました。


私自身もほとんど諦めていて、駅へ向かうためにコースを走るって感じ。ただ、一縷の望みだけは持っている・・・
そんな感覚でスタートを切ることになります。出発はPCクローズの20分前。タイムマシーンさんと一緒に次を目指しました。








バーーーーーーーーーーーーーーン!








サニーロードです。
まっすぐな道が登っています。
また、鳥よけの鉄砲の擬似音が鳴り響きます。


二人でゆっくりと、ゆっくりと登っていきました。
なんとか登り切ったと思ったら、また同じような直線の登り坂が・・・・


無言で登っていきます。
その時、タクリーノのジャージを着られた方が私達を追い抜いてしっかりとした足取りで登っていかれました。
この方は何度かお会いしています。
確か、8月に大人の夜遊びの時、のんさんと飛鳥を走っていた時に一緒にミスコースしかけた人だと思います。
「ベテランだなぁ・・・ タイムアウト寸前なのに余裕だなぁ・・・」などと思っていました。



でも、ここで抜かれたことが、タイムマシーンさんと私にとっては、決断のきっかけになったと思います。
どちらからともなく「このまま真っ直ぐ行きますか?」という話になったように思います。
道のどこかで右折すれば「伊勢」です。真っ直ぐ行けば「津」です。



「右折して伊勢に行きましょう・・・・・一緒に伊勢でいいですか?」





以上。私のBRM927が終わりました。




今振り返ると反省点が一杯です。
タイムアウトすると思い込んでいましたが、「行けたのではないか?」と今、冷静になると思えます。現に、あの時PC4に居た人の何人かはちゃんとゴールしてる。
なんだか、しちゃいけない後悔をしている自分がいます。


PCでの1時間の余裕は絶対に必要と思い込んでました。
また、高度表を持っていなかったのも駄目でした。後でコースを見るとサニーロードが終わればPC5まではほぼ平坦。がんばれば間に合った可能性も高かったのかもしれないです。



今回、自分をDNFに追い込んだのは「経験の無さ」だと思い込むようにしてます。
来年は絶対リベンジできそうな予感はしてます(笑)←あいかわらず脳天気w


来年がんばりますよ。うん。



未完!